古い機種の注意点

現状の設備について把握しましょう

機種・メーカー・タイプ等の確認と記録

稼働中の設備におけるシーケンサ(PLC)のメンテナンスにおいて、まず重要なのが現状のシーケンサ(PLC)のメーカー・タイプ・機種等を把握することになります。

なぜなら、故障してしまった時には同じ物が既に販売中止になってしまっているために、機種の変更が必要となってしまい大きなコストがかかってしまう可能性があるためです。そうならないよう、現行品がいつくらいまで販売継続するのかを知っておく必要があります。

また、機種変更が必要になった場合に価格やメンテナンス性を比較できるように相当品を理解しておくことも重要になります。必要な型式、電圧、入出力の数などを記録できるうちにしておくと良いでしょう。

既存在庫の確認と代替品の確認

購入の検討は本体だけでなく、ソフト、専用ケーブル等も考慮

既存在庫の確認については、メーカーに直接問い合わせる事で解決できます。
では、製造中止の製品はどのように対応すれば良いのでしょうか。
機種・ソフト・配線を同じ環境のまま使用することが最も望ましいので、一番良いのは在庫のストックがありそうな電材問屋や、制御盤屋、電気工事屋等に問い合わせてみましょう。意外と量産機種であれば中古でも手に入ることがあります。

代替品の確認について、新機種であれば複雑な命令もほとんど対応しているのですが専用ソフト・専用ツールのことを考えると同じメーカーの物をお勧めしています。

しかし機種変更の際に、使いやすくて、価格の安いものに変更したいという場合にはやはり三菱電機製をお勧めします。ただし、場合によりオムロンのほうが良い場合もありますので、詳しくは電気工事屋等 に相談すると良いでしょう。メーカーを変更してもハード的な配線は変換コネクター等を利用すればそのままで使える場合もあります。ただし、プログラムだけは新たに作り直しが必要になります。

ハード図面・バックアップデータ・フローチャートの作成と保存

古い設備をメンテナンスする場合によくあるのが、ハード図面すら無いというケースです。設備が問題なく稼動している場合はいいのですが、トラブルが発生した場合では図面が無いためや、また図面があったとしても改造されていて、改造部分が図面に反映されてないために相当苦労することもよくあります。

ハード図面の他によくあるのは、バックアップデータや、設備の動きを知るためのフローチャート等も無い場合です。バックアップデータが無いと、本体のデータのみが頼りになってしまいますし、フローチャートが無ければ、設備の動きを知るためにその設備を熟知したオペレーターが必要となります。

作成方法

まず、設備が問題なく稼動しているあいだにシーケンサ(PLC) データのバックアップを行い( バックアップの取り方はこちら )、次にハード図面を作成しておきましょう。

ハード図面はマークチューブ等に気をつけて作成してください。番号が違う場合もあります。
最後に一連の動きを確認してからフローチャートを作成しオペレーターに確認してもらいましょう。

メンテナンスやトラブル時のコストが大きく違ってきますのでハード図面・バックアップデータ・フローチャート等を作成して保存しておきましょう。